離婚協議書は誰が見ても内容が分かるように!
離婚協議書は作成した当事者間で内容が理解できれば十分というわけではありません。
離婚協議書に契約内容を記載するときに注意しなければならないことは、曖昧な文章は避け、誰が見てもどのような取り決めがされているのかが解るものでなければ後のトラブルの原因になります。
ここでは、なぜ誰が見ても解るようにしなければならないのかということと、基本的な離婚協議書等の契約書の基本的な構成を見ていきましょう。
第三者に理解させなければならない。
当事者間では離婚協議書の内容を理解できているのかもしれませんが、その離婚協議書を見た第三者が理解できなけれなりません。
第三者がみて、受け取り方がまったく違うようなものだと、後にトラブルになったときに、その第三者が妥当な判断をすることができないのです。
それが裁判ともなると、裁判官も妥当な判断をすることができずに、当事者双方にとっても不利益になってしまうこともあるでしょうし、あまりにも不明確なものなら、離婚協議書自体が無効となることもあります。
まずは誰が見ても理解できるような文章にすることを心がけましょう。
長文は避けよう。
養育費の不払い等で相談を受けた時に、離婚時に当事者で作成したものを見せてもらうことがあります。
少し大げさですが作文のように長々と文章が書かれていて、結局なんの取り決めをしているのかが分からないというものをよく拝見します。
しっかり条建てで記載されていても、条項が別の条項と矛盾していたり、どの条項がどの取り決めに掛かっているのか、どこに何の取り決めが記載されているのかもわかりにくく頭を悩ませることもよくあります。
私に読解力がないと言われてしまうと困るのですが、ポイントをしっかり押さえたものを記載することは重要です。
文章が長すぎるものは文章自体も曖昧になりやすいので本当にやめておいた方が良いです。
文章をわざと曖昧にしておいた方が良いこともありますが、長文や曖昧な文章には穴が多く、後のトラブルの原因になります。
離婚協議書に記載する文章は、条建てにして、文章は簡潔にし、ポイントを押さえたものを記載するように心がけましょう。
そうすることによって後に自分で見返したときに、どこに何が記載されているのかがすぐにわかるということにもなります。
一般人にはわからなくてもいい。
離婚協議書の記載内容は、誰が見ても内容が解るようにしなければならないと言っても、この「誰が見ても」の「誰」とは一般の人の事ではありません。
一般の人には見せる機会もあまりないので、理解してもらう必要はないですし、そもそも離婚協議書には一 般の人には馴染のない文章が並んでいるものです。
この「誰」というのは、後にこの離婚協議書を巡ってトラブルに なったしまったときに見ることになるであろう、法律職の者や裁判官のことになります。
離婚協議書等の契約書には、一般的には馴染のない法律の条文で使用される、独特な言い回しがよく用いられます。
法律の条文の独特な言い回しは、法律の勉強をしたことがない人には馴染がなく、意味が解りにくいものも多いのですが、その解りにくい言い回しが、一つの離婚協議書全体の構成の矛盾を防止したり、無効原因にならないような働きを担っていることがあるのです。
一般の方がこれらの言い回しを理解できなくても、法律にたずさわる者や裁判官は普段から法律の条文を読み慣れています。
そういった法律の条項の言い回しを使用し、全体の文章を構成していくことで、曖昧な取り決めを避け、法律職の者や裁判官に理解してもらえたり明確に伝わるようになるのです。
離婚協議書は誰が見ても解るようにのまとめ
いかがだったでしょうか?
まずはしっかりと以下の3点は守るようにしましょう。
チェックポイント
- 取り決めた事項は一つ一つ条建てにして簡潔に。
- 曖昧な文章は記載しない。
- 離婚協議書は法律職の者や裁判官に解るように作成する。
離婚協議書は離婚後に離婚をした夫婦が双方とも、その取り決めた内容を守るようにする、契約書になります。
しかし、契約というものは全てしっかりと守られるわけではありません。
契約が守られず、後にトラブルになった場合には離婚協議書を基に「契約を守れ」と相手に契約の履行を促すこともできますが、それでも相手が契約を守らなければ、結局は裁判所の手続きに進まなければなりません。
その裁判で判断を下すのは、裁判官です。
なので、離婚協議書は当事者間で理解できているだけではなく、法律にたずさわる者や裁判官に理解してもらえるように作成しましょう。
行政書士の中にはご自身で作成した離婚協議書のチェックを比較的低料金で行っている人もいるので一度見てもらうことをお勧めします。