養育費!離婚時の取決めの重要性。

養育費とは「支払い義務者が自分の生活を保持するのと同じ程度の生活」を子にも保持させる義務です。

しかし、いくら離婚時に養育費の額を取り決めていても、将来支払い義務者の収入が何らかの事情で大きく減少してしまったり、リストラに遭い収入がなくなってしまったともなれば、養育費を支払うことができなくなってしまいます。

これがよく言う「無いとこからは取れない」という事です。

養育費は長期的に支払われるのが通常ですから、元夫婦の離婚後の生活状況によって、どうしても流動的なものになってしまいます。

増額減額の理由として一般的には以下のものが考えられます。

  • 当事者の再婚
  • 支払い義務者の再婚
  • 再婚相手の子の出生
  • 当事者の失業
  • 当事者の大幅な減収
  • 当事者の大幅な増収

これらの理由に該当すると養育費の増額や減額の請求が認められるようになります。

このようなことから離婚協議書や公正証書を作成していても、養育費は子供が成人するまで一定額を必ずもらえるという保証があるものではありません。

しかし単純に支払い義務者が離婚当時に「養育費算定表」の存在を知らずに、養育費算定表と実際に支払っている額が異なるからと言って簡単に変更ができるものではありません。

減額が認められるには、変更する必要がある場合でなければならず、変更の必要性があっても、事情の変化がなければならないとされています。

さらに離婚の当時に予見することができなかった事情で、不可抗力によって事情が変化しなければならないとされています。

つまり一度取り決めた養育費の額はよっぽどの理由がない限り減額はできないんですね。

予見できなかった事情と不可抗力

離婚時に予見することができなかった事情と不可抗力とは、

「義務者の勤めている会社が不況の煽りで給与の大幅カットをした」「倒産してしまった」

「義務者と権利者の収入が逆転し、その額の差があまりにも開いてしまった」

「不慮の事故に遭い働くことができなくなってしまった」

「支払い義務者が再婚し扶養しなければならない者ができた」

等が挙げられます。

逆に、勤めている会社に何の問題もないのに自らの意思で退職したなんていうものは含まれません。

また、離婚後すぐに不倫相手と結婚するというようなものは、それを目的に離婚したようなものになるので、このような場合も含まれません。

つまりあまりにも身勝手な理由での減額請求は認められないという事です。

しかし、どのような場合でも裁判所の判断はケースバイケースという事になり、裁判まで進んでしまうとどのような結果になるかは分からないことになります。

ただ日本人は極端に裁判を嫌うので、裁判まで進むという事はほとんどありません。

なので離婚時の取決めは非常に重要なものになります。

養育費というものは将来、額の変更があるかも知れないという事は頭に入れておいた方が良いのですが、しっかりと離婚時に取り決めておきましょう。

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