協議離婚は計画的に進めよう。

現在、日本の離婚の約90%が協議離婚で占められています。

協議とは簡単に言ってしまうと話し合いのことです。

離婚には協議離婚の他に、調停離婚や裁判離婚といったものがありますが、基本的には全ての離婚の入り口は、この協議離婚になります。

逆にいうと裁判所手続きを経ない離婚は全てこの協議離婚なのです。

調停や裁判なら、しっかりと戦略を立てて挑む人もいらっしゃいますが、協議離婚では一時の感情に任せて離婚をしてしまうということも多々あり、その後の生活を考えず離婚に至ってしまうということがあります。

もし相手の不倫などが発覚して、離婚をするということになると、慰謝料が発生するでしょう。

しかし、この時点ではまだ慰謝料がどれぐらい支払われるのかは未知数なのです。

相手を許すことができず、即離婚というような結論に至るかもしれません。

離婚後の生活を考えると、これでは不安定でとてもではないですがお勧めできません。

不倫をした相手を許せない気持ちはわかりますが、相手への仕返しはしっかりと準備をしてからすればいいのです。

不倫の慰謝料の請求権は、加害者と損害の両方を知ったときから3年間の時効期間があります。

悔しい気持ちをぐっと堪えて、まずは協議離婚の流れを把握し、賢く離婚の戦略を立てましょう。

また、不倫以外の理由で離婚を考える場合も準備をしっかりとしてから協議に挑みましょう。

離婚後の生活設計を考える。

離婚後の生活というものは決して楽なものではありません。

特に女性が子供を連れて離婚をするとなると、お金のこと、住居、仕事、子育てなど、離婚後に自立して安定した生活ができるように離婚前から考えておかなければなりません。

離婚を考え始めたら、まずは離婚後の生活設計がしっかりとできるのかどうかを検討します。

離婚後の生活設計ができない内は、まだ離婚に踏み切ってはいけません。

また、養育費や財産分与、慰謝料等の金銭が支払われることを、この時点で期待してはいけません。

協議の結果で、どれだけの金額が支払われるのかというのは全くの未知数です。

相手からの支払いは保険として考えておいて、ギリギリでも自立して生活ができるような状況を作ることが理想です。

離婚後に生活ができるのか、仕事を見つけることができるのかというところは離婚を切り出す前に必ず考えておきましょう。

夫婦の財産の状況、相手の収入を把握する。

財産分与の対象となる財産は、大まかに言うと、夫婦が婚姻してから離婚に至るまでの、夫婦で共同して築いた財産になります。

相手の名義の預貯金でも婚姻期間中に築いたものなら、何か特別のものでない限り夫婦の共有財産になります。

財産状況を把握する前に離婚を切り出してしまうと、相手に財産を隠されたり、必要な情報が得られなくなるというような状況になりかねません。

最近では、夫婦共働きの夫婦が増えており、相手の収入や貯金の額を知らないといったことも増えていますが、できる限り離婚切り出す前に調べておく必要があります。

また養育費や慰謝料は相手の収入によってその金額が変動するので、慰謝料が発生する場合は必ず調べておくようにしましょう。

離婚理由となる証拠を揃える。

不倫や浮気の場合、不貞行為、いわゆる肉体関係があれば法定離婚原因となり、慰謝料の発生原因にもなります。

肉体関係がなくても、低額ではありますが慰謝料の発生原因になる可能性があります。

また最近増えてきているモラハラなども精神的苦痛として慰謝料の発生原因になる可能性があります。

その他にも慰謝料の発生原因となるものはありますが、とにかく離婚を切り出す前に証拠を集めておきましょう。

不貞行為なら、相手の名前、住所、交際期間、肉体関係があった証拠はもちろん、どんな些細な事でも集められるだけ集めておきます。

モラハラの場合は、日記に何月何日にどのような状況でどのようなことを言われたのかということを記しておくことも有効ですし、ICレコーダーにとっておくことも有効です。

慰謝料は精神的苦痛に対する損害賠償のことで、損害賠償請求の時効は、加害者と損害を知った時から3年です。

離婚の準備をしている間、その怒りに耐えることができるのであれば、この3年の間に、証拠を収集して後でゆっくりと料理をしていきましょう。

離婚を切り出す。

離婚後の生活設計、財産状況の把握、証拠の収集など準備ができたら、いよいよ離婚の意思を伝えます。

離婚を考えだしたときから勝負は始まっていますが、ここからが本当の勝負です。

ここで同居のまま協議を進めていくのか、別居をするのかを検討していきます。

実際に協議に進む。

お互いに離婚の条件を出し合い、協議を進めていきます。

  • 子がいるのなら親権、養育費、面会交流
  • 不動産や預貯金を含めた財産分与
  • 慰謝料の発生原因があるのならその額
  • 厚生年金・共済年金の加入期間があるのなら年金分割

など、金銭に関する取り決めがある場合は、一括での支払いなのか分割なのか、期限、支払い方法など、具体的な協議をしていくのですが、相手が離婚や話し合いに応じない場合は裁判所手続きの離婚調停に進むことも検討していきます。

離婚協議書、又は離婚公正証書の作成をする前に離婚届けを提出してはいけません。

協議がまとまり、しっかりと書面に残してから離婚が成立した後に離婚届けを提出しましょう。

各種手続き・名義変更等々・・・

しっかりと準備をして、やっと離婚をすることができたとしても、離婚後の各種手続きや名義変更もかなり大変です。

子がいる場合は子の氏の変更や、片親世帯に支給される、児童扶養手当の申請も忘れるわけにはいきません。

離婚後の手続きは期間が定められているものもありますし、名義変更を怠ると後々面倒な事にもなりかねないので漏れの無いように進めていきましょう。

離婚の準備期間は冷静に考える期間。

協議離婚の大まかな流れを見てきましたが、離婚の準備から離婚に至り、その後の手続きまで計画的にできてこそ、やっと離婚後の生活を安心したものにできるのです。

また、離婚の準備期間に、もしかしたら離婚をすること自体を踏みとどまるようなこともあるかもしれません。

離婚をするにしても、離婚を回避して修復するにしても、けっして一時の感情に左右されるようなことがないように注意をしてください。

サブコンテンツ

このページの先頭へ